ちょっぴりイタリア・オペラ〜有名なアリアの内容を知ろう ヴェルディ作曲《ドン・カルロ》

第4幕*でフィリッポ2世が歌うアリア「彼女は私を愛したことがない」
Verdi DON CARLO atto quarto* “Ella giammai m’amò”
*5幕版の場合。4幕版では第3幕となる。

1867年パリ初演時のポスター

スペインのフェリペ2世の息子、ドン・カルロスをタイトルロールに据えたヴェルディのオペラのことを日本では一般的に、最初にヴェルディが作曲したフランス語版を《ドン・カルロス》、イタリア語に翻訳されたものを《ドン・カルロ》とすることが多いが、実際のところ、その呼び方は混在している。今回はイタリア語版を取り上げるので本文中の役名はイタリア語版に沿うことにする。

このオペラには5幕版と4幕版がある。ざっくり言ってしまえば、王子カルロが、まだ見ぬ婚約者エリザベッタの顔を見に行き、森で出会う場面から始まるのが5幕版。それはバッサリとカットして、すでに彼女がカルロの父、フィリッポ2世と政略結婚させられて、すでに数年経たところからスタートするのが4幕版となる。

フェリペ2世

絶大な権力を誇っていたそのフィリッポ2世が、夜明け間近の書斎で、眠れないままに、若き妻エリザベッタが「彼女は私のことを愛したことがない」と嘆き、権力者の孤独と悲哀をしみじみと語るのがこのアリア。5幕版での第4幕(4幕版では第3幕)冒頭に置かれるフィリッポのドラマティックなこのアリアは、ヴェルディのオペラにおけるバスを代表するアリアのひとつで、「自分に安らかな眠りが訪れるのは、死を迎えた時だけだろう」と語る。

エリザベート・ド・ヴァロワ

ところで、このフィリッポ2世という役を演じるには大人の色気を要する。この後の場面で登場する老齢の宗教裁判長に、カトリックの長である王として、新教への(つまりは父に反目する息子カルロにも)もっと厳正な処分を求められるなど、多くの問題を抱えている。(史実では彼は息子の婚約者であったフランス王アンリ2世の娘エリザベートを政略結婚で自分の妻にしたのは32歳。相手は10代半ばである。年齢の離れた妻が、自分に心を開かないのは致し方ない。)絶対君主として16世紀のスペインに君臨した王の孤独を、フィリッポ役のバス歌手は、このアリア一曲で表現せねばならない。なぜならここ以外の場面では、フィリッポはあくまで王としての「表の顔」で存在し、ここだけがひとりの男として弱みを見せる場面となる。史実を鑑みれば、ドン・カルロスが亡くなった時、フェリペ2世は41歳。72歳まで生きたこの王にとっては壮年期ではあるものの、国王としての日々の苦悩が、歌詞にあるような白髪の混ざった老成感を醸し出していたと考えるのが妥当だろう。

ドン・カルロ

なお史実のエリザベートは、フェリペ2世との間に2女をもうけたが、ドン・カルロスが亡くなった数ヶ月後に、彼女も病気でこの世を去っている。

また、歌詞に出てくるエスコリアル(現エル・エスコリアル修道院)は、フィリッポ2世自身が建設させたもので、実際、その中にある王家の墓所に、彼自身が眠っている。

ドイツではこの役は、バス・バリトン(バッソ・バリートノ:basso = baritono)が手掛けるとも聞くが、イタリアでは普通にバス(バッソ:basso)が歌う。それはイタリア人のバスの声というのが、柔らかく明るめのバッソ・カンタンテ:basso cantante がほとんどで、ドイツ人のように大柄な体格で、筋力も強く、もっと音域が低くて深く強いバスの声(いわゆるバッソ・プロフォンド:basso profondo)があまり存在しないことにも起因する。少なくとも18世紀までのイタリア・オペラにおけるバスの役は、こうしたカンタービレを歌える、柔らかな声のために書かれたものがほとんどである。

Ella giammai m’amò!…
Quel core chiuso è a me,
amor per me non ha!…

彼女は決して私を愛したことはない!
彼女は心を私に閉ざして
私への愛など持ってはいないのだ!

Io la rivedo ancor contemplar trista in volto
il mio crin bianco il dì che qui di Francia venne.
No, amor non ha per me!…

私には今もあの時の、彼女がフランスから来た日の私の
白髪に目にした時の彼女の悲しげな顔が
目に浮かぶのだ!
そうだ、彼女は私に愛を抱いたことなどないのだ!

Ove son?… Quei doppier!…
Presso a finir!…
L’aurora imbianca il mio veron!

私はどこにいるのだ? 
ロウソクの炎が燃え尽きようとしている!
部屋のヴェランダが暁に白み始めている!

Già spunta il dì. Passar veggo i miei giorni lenti!
Il sonno, oh Dio! sparì dagli occhi miei languenti!

再び一日が始まる。私の遅々として進まない日々が過ぎていく!
眠りも、ああ神よ、私の疲れ切った目から消え去ってしまった!

Dormirò sol nel manto mio regal
quando la mia giornata è giunta a sera,

私は王のマントに包まれて、ひとり眠るだろう
私の人生という一日が、黄昏を迎えたときに

dormirò sol sotto la vôlta nera
là, nell’avello dell’Escurïal.

私は眠るだろう、あのエスコリアルの
丸天井の下の暗い霊廟の中で

Ah! se il serto real a me desse il poter
di leggere nei cor, che Dio può sol veder!…

ああ、もしも王冠が私に、神だけが持つ
人の心を読む力を与えてくれたなら!

Se dorme il prence, veglia il traditor.
Il serto perde il Re, il consorte l’onor.

王子が眠っていても、裏切り者は目覚めている
冠は王を、夫を、名誉を失うのだ

Dormirò sol nel manto mio regal・・・

私は王のマントに包まれて、ひとり眠るだろう・・・

                (文・抄訳:河野典子)

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ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展

Buongiorno a tutti!

本日は、東京造形大学主催「ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展」についてのお知らせです。

以下、公式サイトより引用

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ルネサンスの巨人レオナルド・ダ・ヴィンチは、今からちょうど500年前の1519年に亡くなりました。彼は<最後の晩餐>や<モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)>という、世界で最も知られた絵画を描いた画家ですが、67年の生涯で残した作品は驚くほど少なく、現存絵画は16点ほどしかありません。

しかもその多くは未完成や欠損しており、完全な姿で残っている完成品は4点しかありません。

そこで東京造形大学では、今年一年ですべての絵画をヴァーチャル復元する作業に挑戦しています。未着色のものに彩色を施したり、消失部分を科学的根拠に基づいて復元するなどして、完全な状態で全16作品を展示できれば、世界初の試みとなります。

また完成に至らなかったブロンズ製騎馬像や、構想していた巨大建築物、当時の技術では実現不可能だった工学系発明品なども、縮小模型や3DCGなどによって実現します。同展ではまた、彼の絵画空間のなかに入り込んだり、彼が考案した機械を動かすVRなども体験できます。それらの多くが、やはり世界で初となります。

「夢の実現」展が目指しているのは、その名の通り、まさに「レオナルドがかつて抱いた夢の一部を、500年後の今、実現させる」ことなのです。

**************

また本展の関連イベントとして、多くの講演会が催されます。詳細は展覧会公式サイト(http://leonardo500.jp/)にて。

第4回フォスコ・マライーニ賞の授賞作である『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房、 2019年5月)の著者である池上英洋氏が監修を務める「夢の実現」展、この機会にぜひご覧ください。

<インフォメーション>

展覧会名:ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展
会  期:2020年1月5日(日)~2020年1月26日(日)
会  場:代官山ヒルサイドフォーラム 東京都渋谷区猿楽町18-8 代官山ヒルサイドテラスF棟
開館時間:11:00~20:30(入館は20:00まで)
※1月5日(日)は12:00開館、1月8日(水)は15:00閉館となります。
観 覧 料:無料
主  催:学校法人桑沢学園 東京造形大学
後  援:イタリア大使館、イタリア政府観光局、イタリア文化会館、公益財団法人 日伊協会
問合わせ:東京造形大学 042-637-8111
展覧会サイト:leonardo500.jp/

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ちょっぴりイタリアオペラ〜有名なアリアの内容を知ろう ヴェルディ作曲《運命の力》

第4幕でレオノーラが歌うアリア「神よ、平和を与えたまえ」
Verdi LA FORZA DEL DESTINO atto quarto “Pace, pace, mio Dio” (Leonora)

アレクサンドル・シャルル・ルコック による
《運命の力》のポスター

ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi, 1813-1891)作曲のオペラ《運命の力 LA FORZA DEL DESTINO》は、18世紀中頃のスペインが舞台。このアリアはセビリャのカラトラーヴァ侯爵(Bs)の娘レオノーラ(S)によって歌われる。

彼女は父親に結婚を反対されて、恋人でインカ帝国の血を引くアルヴァーロ(T)と駆け落ちしようとする。ところがそれが父に見つかり、アルヴァーロが差し出したピストルが暴発して不本意にも父を殺してしまう。そこからふたりの〈運命〉が狂いだす。父の復讐に燃えるレオノーラの兄カルロ(Br)が、逃げるふたりを執拗に追い続ける。

このアリア「神よ、平和を与えたまえ」が歌われるのは、オペラの終幕。男装して修道院の岩山の洞窟で修行僧として過ごし死を願うレオノーラが、逃げ惑う中ではぐれてしまったアルヴァーロを思いながら、自らの運命を嘆く。

このあと偶然彼女が籠る洞窟がある修道院で修道士になっていたアルヴァーロ(これも〈運命〉)と、彼を執念で見つけ出したカルロが決闘になり、カルロが瀕死の重傷を負う。助けを求める声に洞窟から出たレオノーラが、彼らと再会する。カルロが死の間際に妹を刺殺して父の復讐を果たし、アルヴァーロがこの過酷な〈運命〉を呪う。それをグアルディアーノ神父(Bs)が諫めるところで、この物語は終わる。筋書きに相当な強引さはあるものの、これが〈運命〉というものの力だ、というわけである。ちなみに初演版では、アルヴァーロも断崖から身を投げて死ぬことになっていた。(修道士が自殺するというのは赦されない行為であり、それが 検閲にかかって 結末が書き換えられた。)

ホセ・マルドーネス(グアルディアーノ神父)、 エンリコ・カルーソー(アルヴァーロ) 、 ローザ・ポンセル (レオノーラ)

「序曲」は、オーケストラのコンサートで単独で採り上げられることも多い。そこには、アルヴァーロのアリア「天使の胸に抱かれている君よ」、レオノーラの第2幕のアリア「慈悲深いマリア様!」、レオノーラとグアルディアーノ神父との壮大な二重唱など、このオペラの聴きどころであるメロディが網羅されている。

これだけ聴きごたえのある曲が数多くあるオペラなのに上演される機会が少ないのは、この物語の救いようのない暗さに加え、なにより主要なキャストに重さと強さを持つ立派な声の歌手をずらりと揃えなければならないことが理由にある。レオノーラにもこのアリアの他に大きなアリアがふたつあり、それらのアリアの方がこのアリアよりもずっと歌うのも表現するのも難しいが、有名なのは、最も短いこの最後のアリアである。実は、オクターヴの跳躍が繰り返されるこの最後のアリアだけを歌うことはさほど難しくなく、いろいろな声のソプラノがコンサートで歌う。だが、この役を本当に歌い通せるような声のソプラノは、世界中を見回しても極めて少ない。役に適さない軽い声のソプラノがこの役を歌い通そうとすれば、声を壊すこと間違いなし。ヴェルディの作品は「役が声を選ぶ」と言われるが、それは聴く側だけではなく、歌う側にとっても真実なのである。

ジュゼッペ・ヴェルディ

Pace, pace, pace, mio Dio, pace, mio Dio!

平穏を、神様!平穏をお与えください!

Cruda sventura m’astringe, ahimè, a languir;
come il dì primo da tant’anni dura
profondo il mio soffrir.

過酷な不幸が私を締め付け、ああ、私を弱らせる
長年続く深い苦しみが、あの日と同じように私を苦しめる

Pace, pace mio Dio!

平穏をお与えください、神様!

L’amai, gli è ver!
Ma di beltà e valore cotanto Iddio l’orno,
che l’amo ancor, né togliermi dal core l’immagin sua saprò.

彼を愛したこと、それは本当です!
でも彼の美しさや多いなる勇敢さは、神が彼に与えたもの
私は今も彼を愛しています、彼の面影を心から消すことなどできません

Fatalità! fatalità!

避けることのできない宿命なのです!宿命!

Un delitto dìsgiunti n’ha quaggiù!
Alvaro, io t’amo,
e su nel cielo è scritto!
non ti vedrò mai più!

ひとつの過ちが、この世で私たちを引き裂いたのです!
アルヴァーロ、あなたを愛しています。
そして天には、こう書かれているのです!
二度とあなたに会うことは叶わない、と!

Oh, Dio, Dio, fa ch’io muoia;
chè la calma può darmi morte sol.
Invan la pace qui sperò quest’alma
In preda a tanto, a tanto duol,
in mezzo a tanto, a tanto duol.
Invan la pace quest’alma, invan sperò!

ああ、神よ、神よ、どうか死なせてください
死だけが、私に安らぎを与えるのです
この魂に平穏を願うのは無駄なことなのです
大きな苦しみに苛まれた
苦しみの中に埋もれたこの魂に
平穏を願うのは、望むだけ無為なことなのです!
(洞穴の入り口に置かれたパンを見つけて)

Misero pane a prolungarmi vieni la sconsolata vita.

哀れなパンはこの何の慰めもない私の命をながらえるためにあるのね

Ma chi giunge?
Chi profanare ardisce il sacro loco?
Maledizione!

誰かがやってくる?
この神聖なる場所を冒涜しようとする恥知らずがいるのか?
呪われよ!

               (文・抄訳:河野典子)

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Filed under: オペラの世界 — イタリア文化会館東京 14:04

ちょっぴりイタリア・オペラ〜有名なアリアの内容を知ろう プッチーニ作曲 オペラ《トゥーランドット》

トゥーランドットのポスター(1926年)

第3幕でカラフが歌う「誰も寝てはならぬ」
Puccini TURANDOT atto terzo “Nessun dorma” (Calaf)

フィギュアスケートの荒川静香さんが競技で使用したり、トリノ・オリンピックの開会式で、故ルチアーノ・パヴァロッティも歌ったこのアリアは、その後もテレビCMなどでも度々使用されて、オペラファンならずとも、よく知られたメロディとなりました。

ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini:1858-1924)の最後のオペラとなったこの作品は、架空の時代の北京を舞台にしています。絶世の美人で、氷のような残酷な姫とも称されるトゥーランドット姫は、彼女に求婚する外国の王子たちに「3つの謎」を出します。その「3つの謎」が解ければ、求婚者は彼女を娶ることができるますが、解けなければ求婚者は首を撥ねられることを条件にしており、すでに何人もの王子がその命を落としています。

ジャコモ・プッチーニ

国を追われたダッタン前王ティムールの息子カラフも、トゥーランドット姫の美しさに魅せられて名乗りをあげ、このオペラの第2幕で見事に「3つの謎」を解きます。その思わぬ結果を嘆く姫に対してカラフは「あなたが明日の夜明けまでに私の名を知ることができたら、私は喜んで死のう」と言います。その言葉にトゥーランドット姫は、「あの見知らぬ王子の名前が分かるまで、今夜北京の民は誰も寝てはならぬ」と命令します。

第3幕の冒頭、舞台は宮殿の庭。遠くで役人たちが「誰も寝てはならぬ!Nessun dorma!」と声を上げているのがカラフの耳に届きます。そのフレーズを受けて歌われるのがこのアリアで、彼は自分の勝利を確信しています。

ところでプッチーニは、この第3幕途中、カラフの名前を知るティムールに付き添ってきた奴隷リュウが、拷問によって自分がカラフの名前を口にすることを恐れて自害するところまでを作曲して、癌の手術後の心臓発作で亡くなっています。

一般的にはフランコ・アルファーノ(Franco Alfano, 1875-1954)のもの(公演では、主にその短縮版)が演奏されますが、その他にもルチアーノ・ベリオ(Luciano Berio, 1925-2003)ほか複数の作曲家が、プッチーニが作曲し残した部分を作曲して、オペラを完結させています。

この作品の初演初日(1926年4月25日:ミラノ・スカラ座)、プッチーニの友人でもあった指揮者アルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini, 1867-1957)は、リュウの死まで演奏して「ここでプッチーニは亡くなりました」と言って指揮棒を置きました。

アルトゥーロ・トスカニーニ

Nessun dorma! Nessun dorma!
Tu pure, o Principessa, nella tua fredda stanza
guardi le stelle che tremano d’amore e di speranza!

誰も寝てはならぬ! 誰も寝てはならぬ!
皇女様あなたとて、あなたの冷え切った部屋の中で
愛と希望に瞬く星を見上げているのであろう

Ma il mio mistero è chiuso in me,
il nome mio nessun saprà!
No, sulla tua bocca lo dirò,
quando la luce splenderà!

しかし、私の秘密は私の中だけにあり、
私の名は誰にも知り得まい!
いや、あなたの唇にそれを私が告げよう
夜明けの光が輝くときに!

Ed il mio bacio scioglierà
il silenzio che ti fa mia!

私の口づけが沈黙を解き放つだろう、
あなたを私のものにする沈黙を!

Dilegua, o notte!
Tramontate, stelle!
All’alba vincerò!
Vincerò!

消えるのだ、おお夜よ! 
地平に沈むのだ、星たちよ!
暁に、私は勝利するだろう!
勝利するだろう!

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Filed under: オペラの世界 — イタリア文化会館東京 14:41

映画『水と砂糖のように』

Buongiorno a tutti!

 “最もエレガントな撮影監督”カルロ・ディ・パルマを描いたドキュメンタリー映画『水と砂糖のように(原題:Acqua e zucchero: Carlo Di Palma, i colori della vita)』が、11月30日(土)より東京都写真美術館ほか全国にて順次限定公開されます!

映画史上の功績を讃え「カルロ・ディ・パルマ賞」と命名されたヨーロッパ映画賞撮影賞。本作はこの類まれな撮影監督についての、知的な、深みのある、なによりも愛にあふれたドキュメンタリーです。映画というものが共同作業による魔術であると同時に、個人の強烈な個性の産物であることを思い出させてくれます。

光と色の達人であるディ・パルマのキャリアは、ルキノ・ヴィスコンティの最初の映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす』に参加した15歳から始まり、第二次世界大戦後の映画を革新したネオレアリズモとともに開花しました。モノクロからカラーに移行する中で、ミケランジェロ・アントニオーニと一緒に、色彩の革命ともいえる『欲望』『赤い砂漠』を生み出し、長きにわたるウッディ・アレンの撮影監督として、『ハンナとその姉妹』などアレンが描くニューヨークの物語に、洗練されたヨーロッパ的なものをもたらしました。

本作では、アレンをはじめ、ヴィム・ヴェンダース、ベルナルド・ベルトルッチ、ケン・ローチ、ニキータ・ミハルコフ、フォルカー・シュレンドルフ、ミラ・ネールなど、多くの優れた映画監督や関係者の証言によって彼の突出した才能とともに魅力あふれる人間性があぶり出されます。また、彼が関わった、ロッセリーニ、ヴィスコンティ、デ・シーカ、ジェルミ、アントニオーニ、スコラ、ベルトルッチ、アレンなどの名作25本の一部も挿入されています。

本作は、単に伝説的なひとりの撮影監督の伝記にとどまらぬ、映画黄金時代の核心に迫る感動的な旅なのです。

<監督たちのコメント>
フランチェスコ・ロージ監督「私たちは、真実の瞬間を再現するという映画への愛と情熱を共有していた。」
ベルナルド・ベルトルッチ監督「カルロは、台本を読み取ってそれを表現できる最高の撮影監督だ。」
ニキータ・ミハルコフ監督「モノクロ映画における技術を洗練させたのがジャン二・ディ・ヴェナンツォなら、カラー映画においてはカルロだ。」
エットレ・スコラ監督「カルロは物語の魂である雰囲気というものに細心の注意を払った。」
ヴィム・ヴェンダース監督「私が学び私をかたちづくったすべての映画の現場でカルロは生きていた。」
ウッディ・アレン監督「彼は、とても秀でた構成力と色彩感覚の持ち主。何をすべきか本能的に分かっていて、彼がやると、いつだってすばらしく見える。」

<インフォメーション>
『水と砂糖のように』
2019年11月30日(土)より東京都写真美術館ほか全国にて順次限定公開
監督・脚本:ファリボルス・カムカリ
プロデューサー:アドリアナ・キエサ 
出演:ケン・ローチ、ヴィム・ヴェンダース、ベルナルド・ベルトルッチ、ウッディ・アレン他多数
字幕:岡本太郎
2016年/イタリア/90分/1:1.78
配給:オンリー・ハーツ 
後援:イタリア大使館、イタリア文化会館
推薦:日本映画撮影監督協会
mizusato.onlyhearts.co.jp/

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Filed under: 未分類 — イタリア文化会館東京 10:35

第13回 JETCUP イタリアワイン・ ベスト・ソムリエ・コンクール

Buongiorno a tutti!

本日は 日欧商事株式会社からのお知らせです。
(以下のテキストはプレスリリースより抜粋)
********************

第13回を迎えるイタリアワイン・ ベスト・ソムリエ・コンクール JETCUPの決勝戦が今年も一般公開されます。 ぜひ会場にて決勝へと駒をすすめた選手にご声援ください!

2018年の 優勝者
田上 清一郎氏 (天草 天空の船)

JETCUP は、イタリアワインに関わるソムリエの育成と、その知識と技術の向上に貢献すること、および日本市場におけるイタリアワインのさらなる振興を目的として、2007年より開催されています。過去の優勝者には「日本におけるイタリアワイン大使」がイタリア政府から授与されるなど、日本だけでなくイタリア国内でも権威のある大会として認められつつある。優勝者にはイタリア研修旅行やメディアへの寄稿機会の提供など、幅広い活躍の場が用意されています。

決勝は、ブラインドティスティング、サービス実技から成り立ち、イタリアワインに関する知識に加えサービスも合わせたトータルな面で評価されます。

<開催概要>
第13回 JETCUP イタリアワイン・ ベスト・ソムリエ・コンクール
入場:無料
日程:2019年11月13日(水)14時~17時(受付開始13時30分)
会場:イタリア文化会館 アニェッリホール B2F
観覧申し込みフォーム

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映画『アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール』

Buongiorno a tutti!

世界最高峰のテノール歌手であるアンドレア・ボチェッリ。その激動の愛と半生を描く映画が誕生しました。ボチェッリ自ら執筆した自伝的小説 “The Music of Silence”を『イル・ポスティーノ』(’94)のマイケル・ラドフォード監督が完全映画化した本作は、11月15日(金)より新宿ピカデリーほかで全国公開されます!

© 2017 Picomedia SRL

作品中のボチェッリ本人の吹き替えによる歌唱シーンは、まさに圧巻。96年に世界中で大ヒットした「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」をはじめ、「アヴェ・マリア」「誰も寝てはならぬ(「トゥーランドット」より)」などを披露しています。2018年10月、14年ぶりに全世界で完全オリジナルのアルバムを発売したボチェッリは、世界最高峰のテノール歌手として今も歌い続け、2018年公開のディズニー映画『くるみ割り人形と秘密の王国』で親子でのエンディングテーマを披露するなど、その歌声はファンのみならず世界中の人々を魅了し続けています。

主人公のアモス(=ボチェッリ)役には、人気TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」で頭角を現した新鋭トビー・セバスチャンを大胆に起用。また、アモスを息子のように厳しく、時に穏やかに指導するマエストロ役に、ペドロ・アルモドバル監督に見出され、『デスペラード』(’95)で世界のトップスターに上り詰めたアントニオ・バンデラス。アモスをテノール歌手として育てる過程を大胆に演じています。

ぜひ映画館に足を運んでみてくださいね!

© 2017 Picomedia SRL

<STORY>
イタリア・トスカーナ地方の小さな村。アモスは眼球に血液異常を持って生まれ、幼い頃から弱視に悩まされながらも、明るく過ごしていた。しかし12歳の時に学校の授業中、サッカーボールが頭に当たり持病が悪化、失明してしまう。不自由な暮らしに鬱憤を抑えきれず両親を困らせるアモス。そんな彼を見かねた叔父(エンニオ・ファンタスキーニ)が、元来歌が上手なアモスを音楽学校に連れていく。そのあまりにも美しい歌声が評価され、コンテストで見事優勝する。しかし喜びも束の間、すぐに声変わりが始まり、美しい声が出なくなってしまう。それを機に歌手を諦め、親友とともに弁護士を目指す。
大人になったアモス(トビー・セバスチャン)は、大学に進んだ後、ピアニストとして音楽を嗜んでいた。バーでの生演奏をするアルバイト中、客からのリクエストで、人前で歌声を披露。その歌声に感激した友人が、数々の有名オペラ歌手を育てたスペイン人の歌唱指導者、マエストロ(アントニオ・バンデラス)を紹介する。マエストロとの出会いによって、アモスの人生は一変する。改めて歌手の道を目指すことを決意したアモスは、マエストロの徹底した厳しい特訓に臨み、実力を伸ばしていく。順調にキャリアを積んでいくかと思われた矢先、気まぐれな音楽業界に振り回され、仕事が途絶えたまま数か月が経ってしまう。歌の仕事が入らないなか、いつでも歌えるようにしておくための習慣に時間を取られ、さらに歌と(?)新婚生活の狭間で揺れ動くアモス。彼は、ある決断を迫られていた……。

<インフォメーション>
『アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール』
2019年11月15日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
監督:マイケル・ラドフォード(『イル・ポスティーノ』)
原案:アンドレア・ボチェッリ
脚本:アンナ・パヴィニャーノ(『イル・ポスティーノ』)/マイケル・ラドフォード
出演:トビー・セバスチャン(『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズ)/アントニオ・バンデラス(『デスペラード』)
2017年/イタリア/英語・イタリア語/カラー/シネスコサイズ/5.1ch/115分/原題:The Music of Silence
配給:プレシディオ/彩プロ
映倫:PG-12
オフィシャルウェブサイト
© 2017 Picomedia SRL.

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Filed under: お知らせ — イタリア文化会館東京 11:55

映画『LORO 欲望のイタリア』

Buongiorno a tutti!

イタリアの元首相ベルルスコーニをモデルに描く、過激にして華麗なる爛熟エンターテイメント!

© Gianni Fiorito

『グレート・ビューティー/追憶のローマ』『グランドフィナーレ』など、圧倒的な映像美で人生の甘美と悲哀を描くイタリアの名匠パオロ・ソレンティーノの最新作『LORO 欲望のイタリア』が、11月15日(金)、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開となります。
21 世紀の映像の魔術師と呼ばれるソレンティーノが、ひとりの男の勝利への願望、成功への執着、そして愛の挫折を、めくるめく狂乱と絢爛の世界に映し出してゆく。その過激にして華麗なる映像美は圧巻です。通算9 年にわたって首相の座に君臨し、国民を熱狂させたベルルスコーニの魔力に引き込まれる陶酔の157 分。みなさまぜひお見逃しなく!

<STORY >
スキャンダル政治家として知られるイタリアの元首相シルヴィオ・ベルルスコーニ。整形に植毛、女性問題に数々の失言ばかりが取りざたされる彼だが、首相の座に登りつめた手腕は只者ではなかった。セクシー美女を招き、贅の限りを尽くしたパーティーで生気を養う。政治とカネ、マフィアとの癒着、権力・職権乱用は朝飯前。その野心は燃え尽きることはなく、怪物ベルルスコーニは首相の座に返り咲こうと動き出す。今、狂乱の扉が開く――︕

<インフォメーション>
『LORO 欲望のイタリア』
11/15(金)、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開
監督:パオロ・ソレンティーノ  
出演:トニ・セルヴィッロ、エレナ・ソフィア・リッチ、リッカルド・スカマルチョ
2018年/イタリア/イタリア語/157分/カラー/シネスコ
原題:Loro/英題:Them/日本語字幕:岡本太郎/配給:トランスフォーマー
映倫:R15+
オフィシャルウェブサイト
©2018 INDIGO FILM PATHÉ FILMS FRANCE 2 CINÉMA

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イタリア・キッズフェスタ2019『イタリア アート&カルチャーフェスタ』

Buongiorno a tutti!

武蔵野市・三鷹市・小金井市・国分寺市・国立市からなる5市共同事業実行委員会は、市内の子ども達を対象としたイベント「イタリア・キッズフェスタ2019」をこの秋に開催し、プッチーニ作オペラ「ジャンニ・スキッキ」を上演します(イタリア語上演・日本語字幕付)。オペラの上演に先立って、11月3日(日)に「イタリア アート&カルチャーフェスタ」を、武蔵境駅前に位置する武蔵野プレイス及び武蔵野スイングホールで開催します。

世界的に活躍する23人のイタリア人イラストレーターによる展覧会「イタリアからの絵葉書」展(展覧会協力:イタリア文化会館、Associazione Illustri)、イタリアの食文化にまつわるトークショー、記念品が当たるイタリアあれこれクイズラリーなど、様々なイタリア文化を体験できる一日です。音楽、アート、食……。さまざまなイタリア文化を、からだ全身で体験してみませんか?

<インフォメーション>
『イタリア アート&カルチャーフェスタ』
日付:2019年11月3日(日)
詳細:https://www.italia-kids-festa.com
場所:武蔵野プレイス(武蔵野市境南町2丁目3−18)、武蔵野スイングホール(武蔵野市境2丁目14−1)
※両施設共に、JR中央線「武蔵境駅」徒歩2分以内

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Filed under: お知らせ,イタリアイベント情報 — イタリア文化会館東京 10:11

映画『トスカーナの幸せレシピ』

Buongiorno a tutti!

自分らしく生きようとするすべての人に贈る応援ムービー!

『人生、ここにあり!』につづく、イタリア発のハート・ウォーミング・ムービー『トスカーナの幸せレシピ(原題:Quanto Basta)』が、10月11日より東京・恵比寿ガーデンシネマほか全国で順次公開されることが決定!日本版の予告編も解禁されました。

出演は、『ザ・プレイス 運命の交差点』のヴィニーチョ・マルキオーニ、『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』のヴァレリア・ソラリーノ、そしてアスペルガー症候群の難役に、新鋭・ルイジ・フェデーレ。監督は、フランチェスコ・ファラスキです。

今回解禁となった予告編では、元三つ星のシェフ・アルトゥーロと料理の才能を持つアスペルガー症候群のグイドが、トラブルを乗り越えながらお互いに成長していく、親子のような友情ドラマが描かれています。また、料理コンテストへ向かう旅路で映し出されるイタリア・トスカーナの美しい風景や、コンテストでふるまわれるイタリア料理の数々が、観るものを魅了します。

<STORY

超一流シェフのアルトゥーロは、仲間とのトラブルで傷害事件を起こし、更生のための社会奉仕に就くことに。その役目は、アスペルガー症候群の若者たちに料理を教えること。自立支援責任者アンナの厳しい視線を感じながら、彼は本気で生徒と向き合い、若き創造性を引き出そうとする。なかでも“絶対味覚”を持つ青年グイドは「若手料理コンテスト」への出場を決め、アルトゥーロの運転で人生初の旅行に出発。だが同時にアルトゥーロにも料理人のプライドをかけた大仕事が舞い込み、グイドの元を離れることに……。いつの間にか固い絆で結ばれていた二人。心の支えを失ったグイドは、料理決戦で優勝できるのか……!?

<インフォメーション>
『トスカーナの幸せレシピ』
10月11日より東京・YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
出演:ヴィニーチョ・マルキオーニ、ルイジ・フェデーレ、ヴァレリア・ソラリーノ
監督・脚本:フランチェスコ・ファラスキ
脚本:フィリッポ・ボローニャ、ウーゴ・キーティ
原題:Quanto Basta
2018/イタリア語/イタリア/92分/5.1chデジタル/カラー
字幕:吉田裕子
配給:ハーク
オフィシャルウェブサイト: hark3.com/toscana/
© 2018 VERDEORO NOTORIOUS PICTURES TC FILMES GULLANE ENTRETENIMENTO

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