オリーブ通信 第18号

(オリーブ通信第17号に続き、2016年春の訪問を元に記載しています。)
 
Verona近郊のMezzane di Sottoにやってきました。

この地を訪れたのは、オリーブオイルを作っているVERZEN農園を見学するため。

まだ30歳になったばかりの若き農園主Davideが経営する農園ですが、ご先祖はこの地に17世紀から住んでいるそうです。
そのことがわかる古い表札。”1605”と刻まれています。

本格的にオリーブ農園の経営に乗り出したのは、1950年代半ば。Davideの祖父であるGinoの代から。
そしてそれを引き継いだ父Renzoとともに、現在は、Davideが中心となってオリーブオイル生産に取り組んでいます。
農園に自前の搾油機も導入し、収穫から搾油まで自社で責任をもって生産することを選択しています。
 
 
 
燦燦と太陽の光を浴びる丘の斜面で、この地の土着品種、グリニャーノ、レッチーノ・デル・コルノ、ファヴォロールなどを栽培しています。

この時期は、ちょうど剪定も終わって、新芽が芽吹き、花が咲くのを待つ時期。

農園の裏手の丘からは、遠くアルプスの山々を望みます。この美しい地で育つオリーブからは健康な実ができることは間違いありません。

このあたり一帯は、ワインのヴァルポリチェッラで知られる地域。
VERZENでもブドウを栽培しており、近くのカンティーナに卸しています。
 
 
 
お昼ごはんには、Davideのマンマのご飯を一緒にいただきました。
もちろんオリーブオイルをたっぷりとかけながら。
会話の端々から、家族がこの地を愛し、大地に根ざした暮らしをしていることを誇りに思っていることが伝わってきます。


農園を歩き、大地と空気に触れ、家族とのふれあいから、多くのことを学ぶ・・・オリーブ巡礼の旅です。

 
 
 
 
 
 
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オリーブ通信 第17号

Buongiorno a tutti!!

4月にヴェローナで開催されたワインの見本市、Vinitalyに行ってきました。イタリア最大のワインの見本市とあって、世界中から多くの人が訪れます。

オリーブオイルソムリエである私が専ら通ったのがSOL& Agrifoodのパビリオンです。

こちらのパビリオンでは、イタリアを代表する食材、オリーブオイル、チーズ、ハム、カフェ、ビールなどの食材が扱われています。

まず参加したのがイタリアチーズ協会の講師によるセミナー。
チーズのテイスティングの仕方を簡単に学びました。
オリーブオイルやワインと通じるところもありますね。


パビリオンには、生産者のブースだけでなく、様々な食に関するセミナーも開催されていて、専門家や生産者の貴重な話を聞くことができます。上手く時間を調整しながら参加するのが楽しいです。

チーズのセミナーでは、24ヶ月熟成と36ヶ月熟成のパルミジャーノの食べ比べなど、美味しい試食もあります。

もちろんオリーブオイルのテイスティングセミナーにも参加しました。


ラツィオ州、ウンブリア州、カラブリア州のオリーブオイルを味わいました。

お豆に、3種類の異なるオリーブオイルをかけて試食。それぞれのオリーブオイルの特徴を感じながらいただきます。

生産者のブースもたくさんでています。
偶然、マルケ州の生ハム生産者のレッキさんに再会!
切りたての生ハムをいただきました。

チーズもその場で切って試食できます。

有名シェフによるクッキングショーも面白いです。
食材にフォーカスしたものや、各地の伝統料理を紹介するものなど、テーマも多岐にわたりますし、シェフのテクニックを間近に見られる絶好の機会。

こちらのシェフはオリーブオイルをたっぷり使って、アイデア満載の料理を見せてくれました。

パスタを様々なオリーブオイルで食べ比べるセミナーでは、パスタがおいしくて思わず食べ過ぎてしまいました(笑)


お野菜と豆をオリーブオイルたっぷりで調味した、イタリアの田舎料理。オリーブオイルの美味しさをあますところなくいただける一品。

素朴ですがまさにイタリアの家庭の味。

みなさんも春にヴェローナに行く機会があれば、ぜひ、Vinitalyもチェックしてみてください。
ワインはもとより、食に関して新たな発見があることでしょう。

 
 
 
 
 
 

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オリーブ通信 第16号

Buongiorno a tutti!

今日は、イタリア文化会館の文化事業の一環、オリーブオイル出張セミナーについてご報告します。

女子美術大学付属高等学校・中学校よりご依頼をうけて、イタリア文化とオリーブオイルテイスティングセミナーを行ってまいりました。

プロローグとして、イタリア文化会館の活動をお話してから、地中海におけるオリーブの歴史をご説明しました。

オリーブは6千年くらいの歴史があるとも言われ、イタリアには、海洋民族であるフェニキア人やギリシャ人が植民市をつくると同時に植林したといわれています。

古代ローマ時代には、すでにオリーブオイルの格付けがあったとも言われ、料理には欠かせない食材となっていきます。

今となっては、オリーブオイルの無い食卓など考えられません。

生徒の皆さん、とても熱心にお話を聞いてくださって、授業はとても和やかな雰囲気で進んでいきました。

そして、お待ちかねのオリーブオイルのテイスティング。

今回は、シチリア産、ガルダ湖産、トスカーナ産のオリーブオイルと、スーパーなどで安価で買える残念な品質のオリーブオイルをご用意しました。

さすが、若く新鮮な感覚をお持ちの皆さん、残念なオリーブオイルはすぐに嗅ぎ分けられました。

各地方のオリーブオイルの特徴をご説明します。

オリーブオイルは地域、品種、搾油の方法などで、バラエティー豊かな味わいがあります。

その特徴をつかむと、どんな食材、どんな料理に合うか、使い方が広がります。

改めて、良質なオリーブオイルを口に含んで、香り、味わいをひとつずつ確認していきます。

生徒の皆さん、とても熱心に取り組んでくださいました。

最後にオリーブの収穫から搾油までの様子を動画でご覧いただきました。

緑色に輝くオリーブオイルが出てくるシーンには、「わ~」という歓声があがりました。

今回、ご参加の生徒の皆さんの好奇心旺盛な姿勢と、ご企画くださった先生方のお力添えで、とても有意義な授業となりました。

生徒の皆さんが、イタリアにより一層、興味関心をもってくださるとうれしいです。

イタリア文化会館では、語学コースをはじめ、様々な文化事業を行っております。

ぜひ本物のイタリアに触れる機会としていただければ幸いです。

 

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オリーブ通信 第15号

Buongiorno a tutti!

♪ Torna Sorrento~~~

カンツォーネ「帰れソレントへ」に歌われた、イタリアを代表する観光地のひとつ、Sorrento(ソレント)にやってきました。

 

ナポリ湾に突き出たソレント半島にあり、右にはVesuvio(ヴェスヴィオ)火山とNapoli(ナポリ)の街を望み、正面には温泉で有名なIschia(イスキア島)、左には青の洞窟で有名なCapri(カプリ島)を望みます。

 

半島は険しい岸壁で、岩肌の斜面にはオリーブがびっしりと植わっています。

 

景色とともに、おいしい食事も楽しみの一つ。

こちらは前菜盛り合わせ ナポリ風。

新鮮な魚介類や、フリット、マリネが山盛りです。ひとりじゃ食べきれない!

 

Pizza Margherita。

やっぱり定番のこれははずせません!

 

ソレントと言えば、レモンが有名。

地理的保護呼称=IGP (Indicazione Giografica Protetta)にも指定されています。

16世紀ごろから広く栽培されるようになり、船乗りのビタミン補給などにも役立っていたようです。

こちらはレモンのリゾット。

レモンの皮の摩り下ろしなどがたっぷり入って、芳醇な香りと味わいを楽しめます。

ソレントでは、ぜひこちらをオーダーしてみてください。

 

そして、食後には自家製のリモンチェッロで締めましょう。

 

ソレントは、古代ギリシャの植民市時代から、その風光明媚さで人々に愛された土地。

古代ローマ時代、皇帝や貴族たちはこぞってヴィラを建てました。

 

友人のルイージさんのオリーブ農園の先端には古代ローマ時代の貴族の館跡と、皇帝に献上されたという採水場があり、今は海水浴のできる場所としても人気があります。

 

土地の少ないソレント半島では、木を上に上に育てます。

そのため背の高いオリーブの木が多いのです。

オリーブ収穫名人のカルロさんは、この高い木に登り、枝を剪定しながら、収穫していきます。

 

海風に吹かれながら育つオリーブ。

 

 

ソレント市の街中でオリーブの古木をみつけました。

ねじれる幹に、オリーブの力強い生命力を感じ、しばし足を止めてしまうほど、心に残りました。

ソレントの街を訪ねたら、ぜひこの古木も探してみてください。

 

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オリーブ通信 第14号

Buongiorno tutti!!

トリノを離れ、やってきたのは・・・

そう、シエナです。

上記がカンポ広場のマンジャの塔。

そして下がドゥオモです。

 

 

ドゥオモの床の大理石のモザイク画は素晴らしく、必見です。

通常は文化財保護のため覆いがされているのですが、年に一度、期間限定で公開されます。

 

またドゥオモの天井を見学するツアーも開催されています。

いつも見上げている天井から見下ろす、ドゥオモも新鮮です。

詳しくはシエナの観光協会にお尋ねください。

 

こちらがシエナの守護聖人、サンタ・カテリーナが祭られている、サン・ドメニコ教会。

 

シエナは筆者が6年前に語学留学した街で、特別な思い入れがあります。

ここでオリーブオイルに出会い、その後オリーブオイルを仕事にすることになったのです。

私が留学先を決めたのは、まさにイタリア文化会館の「イタリア留学フェア」。

イタリアで勉強してみようかな、と少しでも思っていらしたら、ぜひ留学フェアに足を運んでみてください。

また「イタリア留学ガイド」は大変参考になりますので、ご一読されることをお薦めします。

 

シエナは人口6万人ほどの街ですが、その郊外には美しい田園風景が広がっています。

 

le Crete Senesiといわれる、シエナ独特の粘土質の土壌が広がり、丘に広がる緑とのコントラストは絶妙です。

シエナの旧市街だけでなく、シエナの南に広がるオルチャ渓谷も世界遺産に選ばれています。

ワインで有名なモンタルチーノや、チーズで有名なピエンツァなど、魅力的な街もたくさんあり、

シエナ県がとても豊かだというのを実感します。

 

シエナ近郊でよく食べられるパスタ、ピチ。

まるで日本のうどんのようで、もちもちした麺はとてもおいしいです。

シンプルに、カーチョ エ ペーペなども美味ですし、イノシシのラグーなども最高です。

 

 

トスカーナは比較的若いオリーブの木が多いのですが、こちらは樹齢300年くらいのオリーブ。

 

トスカーナはオリーブオイルの産地としても有名ですね。

お肉のグリルや豆のスープなどにとってもよく合います。

トスカーナの美しい田園風景を思い浮かべながら味わってみてください。

 

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オリーブ通信 第13号

Buongiorno a tutti!

今日は「オリーブオイル通信」をお届けします!

 

今回はシチリアからトリノに移動。

トリノで隔年開催される食の祭典、「Salone del Gusto」にやってきました。

一か所でイタリア全土の食をみることができるまたとない機会です。

オリーブ農園めぐりをちょっとお休みして寄り道。

 

こうした見本市(Fiera)が開催されるのは、トリノのLingottoという地区。

Porta Nuova駅から地下鉄で行きます。

この地域には、昔FIATの巨大工場があり、その跡地に、商業施設や文化施設が作られました。

 

朝から大勢の人がサローネに向かいます。

当日券購入は並びますので、あらかじめサイトで前売り券を買っておくことをお勧めします。

 

 

広い会場は、イタリア各州のブースにわかれています。

また別館にはワインの特設コーナーや、他国の特別陳列ブースもありました。もちろん日本も♪

 

まず目を引くのが、食品の陳列方法。

様々な種類のカラフルなチーズの山、

 

巨大な豚の背肉のハムがつるしてあったり、

 

こんな巨大なパネットーネもありました!

 

ピエモンテ州はアルバ名産の白トリュフ・・・超貴重品扱いです。

 

村のお祭りなどでよく食べる、ポルケッタ。

顔がついているとちょっと残酷でもありますが、とーってもおいしそう

 

ボルツァーノ近郊でハム工房をやっているマッシモさん。

友人の友人なのでご挨拶しに立ち寄りました。

マッシモさんのスペチャリテのスペック。

味見させていただきましたが、美味しかった~

 

バジリカータ州のオリーブ農家さん。

オーガニックの美味しいオリーブオイルを作っています。

 

ラツィオ州のオリーブ農家さんのブース。

2014年は不作の年だったのですが、

なんとかこのように美しい緑色のオリーブオイルを搾ることができたと語っていました。

 

展示だけでなく、郷土料理の紹介セミナー、

有名シェフによるクッキングショー、

ワインやオリーブオイルのテイスティング、

などにも参加して、イタリアの食の祭典を思いっきり楽しみました。

 

サローネを離れて、トリノの街をちょこっとお散歩。

こちらは、王宮です。

トリノは1861年イタリア王国統一後、首都がおかれた町でもあります。

王宮広場の周りには、サヴォイア家ゆかりの素敵な建物が並んでいます。

 

こちらは、サンカルロ広場の、サンカルロ教会とサンタクリスティーナ教会。

「双子の教会」として知られていますが、

建てられた時期が違うため、違う建築様式なのだそう。

 

歩き疲れたら、広場のカフェ・サン・カルロや、カフェ・トリノなど老舗のカフェで

エスプレッソを楽しむのも粋ですし、

寒い季節でしたら、温かくて甘い、名物ビチェリンなどいかがでしょう。

素敵なお菓子屋さんもたくさんあります。

イタリアの中でも、ちょっとシックで大人の雰囲気の街、トリノ。

ぜひ訪ねてみてください。

 

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オリーブ通信 第12号 

Buongiorno a tutti!

見てください!

この黄緑色に輝くオリーブオイルを!

良いオリーブオイルはこのように健康なオリーブの実から生まれます。

シチリアの南西部から南東部のChiaramonte Gulfi(キアラモンテ・グルフィ)にやってきました。

シチリアでの移動は結構大変。

今回も南西部のRibera(リベラ)から北のPalermo(パレルモ)まで車で移動して,パレルモからバスで5時間くらいかけて南東部のRagusa(ラグーサ)に到着し,ここから知り合いに頼んで送ってもらったのでした。

キアラモンテグルフィは,オリーブの街。

市街地は山の上にありますが,そこからふもとを見ると一面のオリーブ畑が広がります。

今年も良いオリーブができたよ,と生産者のジョヴァンニが畑を案内してくれます。

2014年はハエの被害などを受けた産地が多かったのですが,ここキアラモンテ・グルフィでは例年とほぼ変わらない出来ばえ。

オリーブはまるで,輝く宝石のようです。

こちらの農園ではすべて人の手による手摘みで収穫を行います。

重労働です。

私も少しだけ収穫のお手伝いをした後,

「今日のお昼はレストランでなくてよいだろう?」

と聞かれ,

「もちろん!」

と答えたら,なんと畑の中でのBBQでした。

石で簡単にかまどを作って,焼き網をのせただけ。

オリーブ畑の真中で,近所の美味しいお肉屋さんの肉とサルシッチャを豪快に焼きます。

最高のロケーション!

こんがりきつね色に焼けたお肉。

最高のランチ!

最後に熟したオリーブの実もBBQに。

苦みはありますが,これがまた美味しいのです!

搾りたての新油も味わって,シチリアを後にします。

次は,食の祭典が開かれるトリノに向かいます!お楽しみに!

 

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オリーブ通信 第11号

Buongiorno a tutti!

トレントで買い込んだワインなどをマルケの定宿に置いて、アンコーナ空港から、一路、シチリアへ向かいます。

翼下に広がるはアドリア海。

半島をまたいでティレニア海側へ。

ナポリ湾とソレント半島が見えます。

 

トラーパニ空港に到着し、マルサラへ直行。

マルサラ酒のカンティーナツアーに参加しました。

大きいものから小さいもの。

年代ものから新しいもの、たくさんの樽があり、そのスケールに圧倒されました。

マルサラ酒はアメリカが一大輸出先だそうですが、お料理用に使われるのがメインだと、生産者さんはちょっと残念がっていました。

ぜひ、まずは、お酒として楽しんでいただきたいとのこと。

ツアーの最後にはお楽しみのマルサラ酒のテイスティング。

熟成によって香りも味わいの違う3種のマルサラ酒。

あわせるチーズも軽いペコリーノから重たいゴルゴンゾーラが用意されていました。

う~ん、美味!

マルサラ酒の美味しさに感動!

ショップでお買い物しちゃいました。

 

マルサラから南下して、シチリアの南岸の町、オレンジの町として有名なリベラ(Ribera)へ。

ここでオリーブ園を経営しているCinziaのおうちにご厄介になります。

シチリアの美味しい家庭お料理がいただけるのも幸せ~♪

こちらは、豚肉をたっぷりの野菜で煮込んだ一品。自家製オリーブオイルたっぷりがポイント。

農園で採れたトマト、バジル、ニンニク、アーモンドで

美味しいパスタ、トラーパニ風のできあがり。

こちらもオリーブオイルをふんだんに入れるのを忘れずに。

シチリア名物の長ズッキーニ(zucchina lunga) とサボテンの実(fico d’india)。

美味しいパスタソースと食後のデザートになりました。

 

Cinziaがぜひ見せたいところがあると、連れて行ってくれたのは、

Scala dei Turchi、(トルコ人の階段)と呼ばれる、白い海岸段丘。

蒼い海と碧い空に白い崖が美しく映えて、

まるで別世界のよう。

しばし時間を忘れて座り込んでいました。

 

そして、アグリジェント。

長年訪れたいと願っていた憧れの地です。

神殿群の中にオリーブの巨木がありました。

樹齢千年以上・・・この木も、遺跡と共に悠久の歴史を見てきたのでしょうか。

歴史におけるオリーブという木の象徴性を感じます。

アグリジェントの町は、ギリシャ人により、紀元前581年に築かれ、栄えました。

特に、紀元前480年のヒメラの戦いでカルタゴを打ち破ったときに多くの神殿が築かれたのでした。

 

 

Riberaに戻って・・・Cinziaのオリーブ畑。

彼女のおじいさんが大事に築き上げてきた畑です。

農業のイロハから、すべてを教えてくれたおじいさん、2年前、彼女がパレルモ大学の仕事を辞めて、就農を始めた矢先に残念ながら亡くなってしまいましたが、おじいさんの遺志を受け継ぎ、彼女は立派にも農業会社を立ち上げました。

オリーブオイルなどの生産とともに、北イタリアのトリノの消費者グループに直接、地元の特産品を届けるという新規事業も始めています。

そのCinziaのオリーブオイル。

希望に輝く緑の雫です。

 

今、イタリアの経済状況は難しい局面にありますが、農業に携わる若者たちは前を向いて進んでいるのが頼もしい限りです。

応援していきたいと思います!

 

次回は、シチリアの東南へ・・・

 

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オリーブ通信第10号

Buonasera a tutti!

バジリカータ州からトレンティーノアルトアディジェ州の州都トレントにやってきました。
フライトはバーリ空港からヴェローナ空港まで、LCCのVOLOTEAを使ってみました。
安いLCCはイタリア全土を周る私にとっては大事な交通機関。

こちらがトレントの街の中心、広場。
オーストリア、ドイツの文化的影響が色濃く、町並みもどこかドイツ風。

トレントのドゥオモ、Cattedrale di San Vigilio。

こちらはガルダ湖。
風光明媚な湖で、オペラ歌手マリア・カラスをはじめ数々の著名人が別荘を構えたことも知られています。

ガルダ湖のもうひとつの特徴は、湖周辺に大変暖かい気候をもたらしているということ。
北緯46°と北にありながら、湖の周りでは、レモンやブドウが栽培されています。
そしてイタリアのオリーブ栽培の北限でもあります。

この地域では、「カーサリーヴァ」などの土着品種のオリーブが栽培され、そのデリケートな味わいから大変珍重されています。

湖のほとりにはこんなに大きなオリーブの古木もありました。

ガルダ湖の湖面をさわやかな風が吹き抜けていきます。

イタリア最大の湖です。面積は琵琶湖の半分くらい。

 

農園見学1件目はヴァルポリチェッラの大資本ワイナリーを訪ねました。

数ヶ月乾燥させ糖度をあげたブドウからつくるアマローネが有名です。

案内してくださったマダムはとってもエレガント。

2件目はグラッパを製造している家族経営のワイナリー。

こちらでは、樽熟成したものや、ハーブなどで香りをつけたグラッパなどさまざまな種類のグラッパをつくっていました。

3件目は、「Biodinamico」、英語でバイオダイナミック農法という、月の満ち欠けなどを重視した有機農法を行っている農園。

ワイン醸造においてビオディナミコは今注目されていますので、皆さんもこれからワインボトルなどを気をつけてチェックしてみてください。

またアンフォラという古代ローマ時代にワインを運ぶのに使っていたテラコッタの入れ物を使ったワイン作りにも挑戦しています。

チーズ熟成士さんのお店も訪ねました。

近隣の農家さんからチーズを仕入れて、それぞれの特徴をさらに活かすように、藁で包んだり、燻製したり、さらに深い味わいを引き出す仕事。

もちろんオリーブ搾油所も訪問。

こちらはリーヴァ・ディ・ガルダというガルダ湖の一番北端にある街の農業協同組合。

オリーブ見学コースを申し込んでおいたら、こんな素敵なテイスティングコースがついていました。

この地域といえば、燻製のハム、スペック。肉とスパイス・ハーブの織り成す旨みを楽しみました。

 

トレントの街でたべたのは、「グーラッシュ」と「プレッツェル」

もともとハンガリー起源のシチュウ。クネーデルという小麦粉のおだんごがついています。

トレントの街の広場に戻ってきました。

ネプチューンの泉。

ひとつの国でありながら、地域ごとの豊かな文化を感じることができるのもイタリア旅の醍醐味のひとつですね。

 

 

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オリーブ通信 第9号

Buongiorno a tutti!

昨年秋のオリーブ巡礼旅,まだまだ続きます。

プーリア州からバスに乗って,お隣バジリカータ州のマテーラにやってきました。

夜の世界遺産Sassiは幻想的。

お宿はこの街の中にあるB&B。

憧れのSassiの中に泊まれるなんて感激!とても嬉しい夜でした。

朝のすがすがしいマテーラ。

マテーラで料理修行をした友人が紹介してくれたMicheleは,バジリカータ州政府の農業担当官。

Micheleに,オリーブ農家その他農業に興味があると伝えておいたところ,興味深いアテンドをしてくださいました。

まずは,特産品のペペロンチーノ農家へ。

まるで赤いシャンデリアの様!

乾燥させたペペロンチーノは,スパイスや,甘い品種の物はスナックとして加工され,さまざまな商品となっていました。

特に,甘いペペロンチーノのスナックはとっても美味しかったです♡

続いて,はちみつ農家さんへ。

こちらの農園では,単一花のはちみつにこだわっていて,アカシア,栗,オレンジの花・・・などをはじめとして10種類以上の単一花のはちみつを生産しています。

はちみつのテイスティングもさせていただきました。
それぞれに味わいがちがってとても楽しい体験でした。

マテーラというと,どうしてもSassiの風景しかイメージできなかったのですが,とても美しい田園風景が広がっています。

眼下に広がるオリーブ畑が印象的でした。

そして,地元伝統の焼き物工房へ。
昔から愛されている伝統のデザインから,現代のモダンなデザインまで。そして古い焼き物の修復なども手掛けているそうです。

そしてもちろんオリーブ生産者も訪ねました。

こちらの農園は,お仕事をリタイヤしてから,無農薬のオリーブ栽培にこだわってはじめられた農園。

農園主のお話しを窺っているとオリーブに係わる人の純粋無垢な情熱に心打たれます。

オリーブの木もとても健康そう。

収穫には少し早い時期だったのですが,あと2週間もすれば美味しいオリーブオイルがうまれます。

この他にも,

北のカンパーニア州に接している地域は,トマトの生産が盛んだそうで,とても豊かな農業の州であると云えます。

 

旧市街からSassiの眺め。

本当に美しい街で,いっぺんで気に入ってしまいました。

B&Bのおかみさんによると,これまでマテーラは,プーリア州のアルベロベッロなどと組み合わされて,すぐに移動していく方が多かったそうですが,ここ2,3年はマテーラに滞在していく方が増えているとのこと。

また新市街地には新しいアパートなども立ち並んで,人口も増えているそうですし,旧市街には観光客があふれ,英語やドイツ語が飛び交っています。

この街には明るさ,活気を感じました。

マテーラは2019年の欧州文化都市に選ばれました。

これから様々なイベントが行われることと思います。

 

イタリアをブーツに例えると,土踏まずのところにあたる,バジリカータ州。
ルカーナという古名でも呼ばれるこの地は美食の地でもあります。

ぜひ訪れてみてください。

 

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