オリーブ通信 第8号

Buongiorno tutti!

イタリアオリーブ旅、次に訪れたのは、プーリア州のメザーニェ。
プーリアの歴史ある港町、ブリンディジから内陸に30㎞くらいはいったところにある小さな街。
この街のオリーブ農園をやっているAngeloさんの招きを受けて初訪問。

農園に行ってみると、おじい様、おばあ様、いとこ、その子供など、一族皆さんが揃って私を待っていてくださいました。

そしてこんなケーキが登場・・・その優しさに思わずウルウル・・・

夜はメザーニェの街をお散歩。


さすが小さいけれど古代ローマ時代からある街、
中世~近世にかけてオリーブ搾油所として使われていた、古代ローマ時代の地下室などがありました。

街って、多くは円形か四角形が多いと思うのですが、メザーニェは逆さまハート型の珍しい形をしています。

Angeloのお宅で素晴らしいプーリアの伝統を見せていただきました。

それは、Angeloの奥さん、Mariettaが嫁ぐ際にもってきた、レースの数々。
プーリアでは女の子が生まれると、お祖母様かお母様がリネン類を用意する伝統があります。
こちらもおばあ様が彼女が産まれた時から、こつこつ作りためたもの。

天使の図案の大きなベッドカバーは5年の月日をかけて作られたそうです。
そうした愛のこもった贈り物の入った木の櫃をもって輿入れする・・・。
今、この櫃にはAngeloとMariettaの2人のお嬢ちゃまのためのレースが入っています。

プーリアやシチリアではまだまだイタリアの古き良き伝統が息づいています。

そしてプーリアでは、日曜日のランチは一族みんなが集まり、ゆっくりおしゃべりを楽しみながらお食事します。

Angeloの農園のシンボルツリー、樹齢1000年以上の樫の木。
この木の下にいくと、大きな翼で守られているような安心感が。
子供たちはここが大好きでいつもここで遊んでいるそうです。

手入れの行き届いたオリーブ農園。高さ10m級の大きなオリーブの木がたくさんありました。

この品種は、Celina di Nardo’といって、このプーリアの南部の土着品種。
たわわに実っていました。もうまもなく収穫です。

この地でも美味しいオリーブオイルとそれを情熱をもって作っている素晴らしい人々に出会いました。

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オリーブ通信 第7号

Buonasera a tutti!!

秋のオリーブ旅、最初の訪問地は、プーリア州のオストゥーニ。 「Citta’ Bianca(白い街)」として有名です。

この街の郊外にある、友人所有のトゥルッリに宿泊しました。

改装されたトゥルッリは冷暖房も完備、水周りも整備されていて、とても快適です。

オーナーのジョバンニ&リサ夫妻はもともとミラノ郊外に住んでいたのですが、数年前、リタイアをきっかけに、田舎暮らしを決意し、

この地で、家を探しているときにたまたまこのトゥルッリを見つけ、一目で気に入ってしまったのでした。

今では、家庭菜園をし、小さなB&Bを経営し、すっかりカントリーライフをエンジョイしています。


そしてこちらのお宅にはオリーブ畑もあるのです。

個人のお庭でこんなにたくさんのオリーブの木があるなんて!!

さすがイタリアでオリーブ生産量No.1のプーリア州です。

でも・・・今年は搾油しない・・・、とジョバンニは言っていました。

オリーブにタマゴを産むオリーブミバエの発生により、良い状態の実がほとんどなかったのです・・・。

2014年は、イタリア全土、そしてスペインも含め、異常気象により農作物にとって大変残念な年となりました。

 

夜のオストゥーニの街中をお散歩。

この街遠くからみると白い家々が重層的に重なり、一つの白い要塞のように見えます。

街中に入ると、細い路地が入り組んでいてまるで迷路のよう・・・

オスマントルコや海賊の脅威から街を守るためこのような形状になったとも言われています。

周りには一面のオリーブ畑で、緑と白のコントラストも美しい~。

日本人シェフも修行に来る、美味しいレストランもありますので、ぜひ訪れていただきたい場所です。

 

この街の郊外の大規模なオリーブ農園を訪ねました。

プーリア州にはオリーブの古木がたくさんあります。

州政府は、州内の古木を鑑定して、樹齢500年以上と認められたものには、保護証明番号をつけています。

こちらの農園にはそのステッカーのついた古木が何本もありました。

そして、古木を守る運動に賛同して下さって資金を援助して下さっている方の名前をステッカーに記載する

古木のサポーター制度もやっているそうです。

 

1000年以上の木もたくさんありました。

もちろん、今でもしっかり実をつけ、オリーブオイルを搾ることができます。

樹齢1000年のオリーブオイルなんて、ロマンティックですね。

 

 

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Filed under: オリーブ通信 — admin@iictokyo.com 19:08  Comments (0)

オリーブ通信 第6号

buongiorno a tutti!

収穫の秋です。
筆者はイタリアにオリーブの旅に来ております。
しばし現地のオリーブ農園の様子などライブでお伝えしたいと思います。

 

こちらは、滞在先のマルケ州のお宿にあるオリーブの木。

前回、宿のオーナーに樹齢を尋ねると、見せてくれたのがこのコイン。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、ある人物の横顔が見えますでしょうか。
ナポレオン硬貨です。
この宿の建物を改築した時に見つかったものだそう。

ナポレオンがイタリア征服後、失脚する1814年までに建てられたと考えると、今からちょうど200年前にこの木も植えられたと考えられます。

今でもしっかりと実をつけているオリーブの木。

プーリア州などに行きますと樹齢千年の木もあったりします。

オリーブオイルとイタリアの食文化の長い歴史を感じます。

 

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Filed under: オリーブ通信 — admin@iictokyo.com 13:36  Comments (0)

オリーブ通信 第5号

Buongiorno a tutti!

オリーブオイルは香りを吸収しやすいという性質があります。

ですので、開封後の保管には、強い香りを発するものから遠ざけるなど、注意が必要ですが、

この特性をいかしてオリーブオイルに香りをつけることができます。

 

夏に涼やかなハーブオイルをつくってみてはいかがでしょうか?

例えば、ローズマリーオイルでしたら・・・

2枝ほどのローズマリーを熱湯で洗い、水気をとって

150CCほどのオリーブオイルにつけて、一週間ほどで使えるようになります。

大切なのは水気をしっかり切ることです。

緑の香りのオリーブオイルはハーブとの相性抜群です。

ソースを作ってみてはいかがでしょう。

バジルのジェノベーゼソースはもちろん、イタリアンパセリを使ったサルサ・ヴェルデも。

肉・魚のグリルやきのこのソテー、ゆで卵やジャガイモにかけていただいても。

 

 

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Filed under: オリーブ通信 — admin@iictokyo.com 17:44  Comments (0)

オリーブ通信 第4号

Buongiorno a tutti!

今日はオリーブの実がなるまでをご紹介します。

5月中旬になるとオリーブの花が咲きます…

オリーブはモクセイ科。きんもくせいのような白い小さな花です。

 

受粉がうまくいきますと・・・、花が終わって、赤ちゃんの実がつきます。

 

 

夏を迎え、実はどんどん大きくなります。

 

 

実りの秋にはこんなたわわに・・・

 

 

緑色と紫色が半々くらいになってきたところで待ちに待った収穫です!

 

これらは、わたしの家のバルコニーの写真。

植木鉢でもちゃんと実ってくれるのですね。

 

オリーブの搾油率は8~15%あまりですから、

100mlのオリーブオイルを得るためには、1kgあまりのオリーブが必要になるということ。

オリーブオイルを作るのはものすごく大変なことなのです。

みなさんもぜひ大切に味わってくださいね!

 

 

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Filed under: オリーブ通信 — admin@iictokyo.com 11:15  Comments (0)

高校の課外授業でオリーブオイルを学ぶ (オリーブ通信号外!) 

Buongiorno a tutti!!

イタリア文化会館東京校と学校教育とのコラボレーションの取り組みをご紹介します。

 

長野県立屋代南高校のフードデザイン学科の生徒さん16名が来館し、課外授業としてイタリアのオリーブオイルセミナーを受講くださいました。

今回は、トスカーナ州、シチリア州、リグーリア州という、イタリアの代表的なオリーブオイルをご紹介し、テイスティングをしながら、品種やそれぞれの味わいの特徴をご説明しました。

さらに、各地の代表的な料理について、イタリアの普段の食生活の中でのオリーブオイルの使い方などをお話しました。

みなさん、さすが食に関心の高い生徒さん。

味わいの特徴についても、「草の香り」や「トマトの香り」などなど、感想がたくさんでました。

中には「緑の若いぶどうの香り」というような美しい表現もありました。

さらに日本のスーパーでも売っている残念なオリーブオイルと比べてみると、香りだけで違いがわかって、生徒の皆さんの感性の豊かさ、感覚の鋭さに感動しました。


オリーブオイルの味わいを実際に感じていただくために、アイデアお料理をご用意しました。

いろいろなお野菜を使ったお惣菜と、スープ、お豆とツナの冷製ペンネなど。

とても好評でした!

どれも簡単なレシピなので、「ぜひ学校の実習で作ってみます!」と言っていただけました。

 

おいしいオリーブオイルが、皆さんの記憶の中にイタリアの印象として残って下さり、これからの暮らしの中で今回のセミナーのエッセンスが役立つと幸いです。

全員で記念撮影

イタリア文化会館東京校では、などさまざまなアプローチでイタリアを身近に感じていただくプログラムをご提供しております。

ぜひ当館でイタリア体験をしてみませんか!

 

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オリーブ通信 第3号

Buonasera a tutti,

イタリア、カンパーニア州、ソレントの美しい海。

ソレント、といえば皆さんには、「帰れソレントへ」というカンツォーネでおなじみですね。

輝く太陽と美しい青い海、薫り高いレモンと、そしてオリーブが有名です。

4月の第一週に、イタリアでオリーブオイルコンテストの審査員団に参加してきました。

カンパーニア州のソレントで毎年開催されている「Sirena d’Oro」というコンテストで、イタリア全土からDOP(原産地保護呼称)指定のオリーブオイルが集まります。

応募してきた200ブランド以上のオリーブオイルからセレクトされた66ブランドを審査員がテイスティングして、味わいの強、中、弱という3部門でそれぞれベスト5を決めます。

 

こちらがオリーブオイルテイスティングに使うグラス。これだけ並ぶと壮観です。

テイスティングは香りと色のみで判定します。

実は、オリーブオイルの品質に色は関係がないのです。
例えば緑色だとフレッシュな印象を与えます。しかし穿った見方をすると緑色は色素の添加でなどでコントロールすることもできます。
ですので色の先入観を避けるために正式なテイスティングではコバルトブルーのグラスを使います。

テイスティング用具一式がセッティングされたデスク。

グラス、テイスティングシート、水、吐き出し、口直しのりんご、保温器。

保温器?

香りをしっかり感じるためにオイルの温度を28度くらいに温める必要があり、テイスティンググラス専用の保温器があるのです。

 

短い時間の中でたくさんのオイルをテイスティングし、例えば「草の香り」でもどのように差があるのか考えながら点数をつけていきますので、ものすごい集中力を要求されます。

今回はコンクールでのテイスティングのコツを学ぶことができました。

 

入賞したオイルのいくつかは既に日本に輸入されているものでした。

ぜひイタリアの最高品質のエキストラバージンオリーブオイルで食卓を豊かに彩ってみてください。

 

 

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Filed under: オリーブ通信 — admin@iictokyo.com 19:27  Comments (0)

オリーブ通信 第2号

Buongiorno a tutti!

1月~3月にイタリアのオリーブ農園を訪ねると剪定の風景に出会います。

 

木の活動が一番落ち着いている時期に大幅な剪定をし、その後は木の生長に合わせて都度手入れをします。

オリーブは隔年結果(一年おきに豊作と不作を繰り返す)が出やすい果樹。

実を毎年しっかりならせるためにも、木の健康のためにも、剪定は欠かせません。

ただし、「剪定に不正解はない」といわれるように、公式はなく、各木の特徴、自然環境にあわせることが大事です。
その中でも重視するのは風通しと日照でしょうか。

そうした剪定のかたちには、イタリア語を勉強されている皆さんに、なじみの言葉が出てきたりします。

壺という意味のVASO(ヴァーゾ)だったり、アルファベットのYのIPSILON(イプシロン)だったり。

 

農家さんにオリーブについて質問をすると皆さん熱く語ってくださいます。

 

トスカーナの丘陵地帯のオリーブ農園の風景。

 

イタリアでは農園に宿泊するアグリツーリズモも各地にあります。

観光のついでにちょっと足を延ばしてみてはいかがですか?

 

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Filed under: オリーブ通信 — admin@iictokyo.com 06:52  Comments (0)

はじめまして!オリーブ通信、第1号です。

 

搾油機から出てきたばかりのオリーブオイルです。

こうしてみるとオリーブオイルがオリーブの絞りたてジュースというのを実感していただけるのではないでしょうか。

 

はじめまして、オリーブオイルソムリエのYOKOです。

イタリア留学中に本物のオリーブオイルに出会い、そのおいしさに惹かれ、今はオリーブオイルソムリエとして活動しています。

 

みなさんは、塩漬けのグリーンオリーブ、ブラックオリーブをご覧になったことがあると思います。

グリーンとブラック・・・それは品種の違いではなく、実の熟し具合。

どのオリーブもこの写真のように緑から紫になっていくのです。

この色の変化にしたがってオリーブの果肉も変化し、いつ搾るかによってオリーブオイルの味わいが変わります。

もちろん品種によっても、土壌によっても、味わいは変わりますので、オリーブオイルというのは実に奥深い農産物です。

このブログでは、そんなオリーブオイルの魅力を中心に、イタリアの食文化なども含めて、皆さんにお伝えしていきたいと思います♪

 

 

こちらがオリーブの花・・・

ちょっとキンモクセイに似ていますね。オリーブはモクセイの仲間です。

北半球では5月~6月に花を咲かせます。

初夏にイタリアに行かれる方はぜひオリーブの花を探してみてください。

 

今、冬の時期、オリーブは剪定の季節です。

オリーブの実をしっかり生らせるためには剪定はとても重要です。

次回は剪定のお話など。

 

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Filed under: オリーブ通信 — admin@iictokyo.com 10:28  Comments (0)
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