パオロ・カルヴェッティ新館長より皆さまにご挨拶

この度、イタリア文化会館館長として着任いたしました。日本の皆さまがイタリア文化に関心をお寄せいただき、また常にイタリアに注目してくださることで、当館の活動や伊日両国間の文化交流が実り多いものへと発展していくことと、私は確信しております。私はこれまで、日本研究者、大学教員として長年日本と関わりをもってきました。また、10年ほど前には文化担当官として駐日イタリア大使館に勤務いたしました。今後、これらの経験を生かして、伊日両国間の文化的対話のさらなる発展に努めてまいります。

素晴らしい業績を残した前館長ジョルジョ・アミトラーノ氏と、その後館長代理を務めたノルベルト・ステインマイヤー氏の後を継ぎ、熱意をもって仕事に取り組むスタッフとともに、日本において優れたイタリア文化を紹介し続けるべく最善を尽くす所存です。さらに、当館がイタリアと、国際的に活動するさまざまな文化団体との協力関係の中心的役割を果たせるよう職務に当たってまいります。

最後に、当館が企画するイベントで多くの皆さまにお会いできることを楽しみにしております。

パオロ・カルヴェッティ

Cari amici dell’Istituto,

Sono molto lieto di dare inizio al mio incarico di Direttore dell’Istituto Italiano di Cultura di Tokyo, sicuro che l’interesse del pubblico giapponese per la cultura e la lingua italiana e la costante attenzione che esso riserva all’Italia, saranno uno stimolo proficuo per le attività dell’Istituto e per l’interscambio culturale tra Italia e Giappone. La mia professione di ricercatore e docente di studi giapponesi, ed una precedente esperienza di Addetto culturale presso l’Ambasciata d’Italia in Giappone, saranno messi al servizio del dialogo culturale dei nostri due Paesi.

Sostenuto dalla presenza di uno staff entusiasta della propria missione, eredito l’eccellente lavoro del mio predecessore, Giorgio Amitrano, proseguito negli ultimi mesi dall’Addetto reggente Norberto Steinmayr. Lavorerò affinché l’Istituto continui a rappresentare al meglio la cultura italiana in Giappone e funga da fulcro per la collaborazione tra l’Italia e i diversi protagonisti delle attività culturali di ambito internazionale.
Spero dunque di avere il piacere di incontrarvi numerosi, a partire da settembre, alle iniziative organizzate dall’Istituto.

Paolo Calvetti

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イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ最新作『甘き人生』7月15日よりロードショー!

Buongiorno a tutti!

イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ最新作『甘き人生』が7月15日より、ユーロスペース、有楽町スバル座ほか全国順次公開されます。

本作は第69回カンヌ国際映画祭「監督週間」オープニング作品であると同時に、イタリアのアカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・デ・ドナテッロ賞作品賞を含む10部門にノミネートされ、イタリア国内外から高い評価を得ています。

過去の傷を癒せず長い間夢の世界に生きていた一人の男が、ある出会いによって覚醒を果たす―
巨匠マルコ・ベロッキオが、ある男の人生を通して激変の時代を描き尽くした、イタリア映画史に残る傑作を皆さまぜひお見逃しなく!

 


©Simone Martinetto
©2016 ALL RIGHTS RESERVED IBC MOVIE SRL,
KAVAC FILM SRL, AD VITAM


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〈インフォメーション〉
題名:『甘き人生』
監督:マルコ・ベロッキオ 
原作:マッシモ・グラメッリーニ「Fai bei sogni」
脚本:ヴァリア・サンテッラ、エドアルド・アルビナーチ、マルコ・ベロッキオ
出演: ヴァレリオ・マスタンドレア、ベレニス・ベジョ、エマニュエル・ドゥヴォス
2016年/イタリア・フランス/イタリア語/カラー/スコープサイズ/5.1ch/130分 映倫区分G
原題:Fai bei sogni 英題:Sweet Dreams
後援:駐日イタリア大使館/イタリア文化会館 
配給:彩プロ 宣伝協力:gnome
©2016 ALL RIGHTS RESERVED IBC MOVIE SRL, KAVAC FILM SRL, AD VITAM

〈作品概要〉
1969年、トリノ。 9歳のマッシモの前から、ある日突然母親がいなくなった。司祭から母親は天国にいると告げられるも、彼はその不可解な事件を受けいられれず、喪失感に苛まれる。時が経ち90年代、ローマ。マッシモは腕利きのジャーナリストとして成功を収めてきたが、今もなお過去の傷を癒せず、心を閉ざし夢の中を生きているような生活を送っていた。しかし、女医エリーザとの出会いによって長い夢から目覚め・・・。

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オペラの世界4 「ベルカント」とは何でしょうか 

Buongiorno a tutti!

今日は3月に新著を出版されたばかりの音楽評論家・河野典子さんにオペラの世界についてお話を頂きます。
これを読めばオペラを聴くのが益々楽しくなりそうです!

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拙著(イタリア・オペラ・ガイド)を執筆していた間、長らくお休みをいただいていたブログへの連載を再開させていただこうと思います。

今回は、イタリア・オペラを語る上で欠かせない「ベルカント」という言葉について、今年2月に演奏会のプログラムに書いたものを転載します。

イタリアのベルカントとは何か。
私たちはイタリア・オペラやイタリア歌曲を優れた歌手を聴くと、「ベルカント歌唱の技術に優れている」とか「ベルカントが素晴らしい」などとよく口にし、また文章にもします。
しかし、その「ベルカント(bel canto)」を具体的に定義しようとすると、果たしてそれはとても感覚的で曖昧なものなのです。

今回はその「ものさし」を言葉にしてみます。

まず、「ベルカント・オペラ」という場合、これは19世紀前半に活躍したロッシーニ(1792~1868)、ドニゼッティ(1797~1848)、ベッリーニ(1801~35)らの作品群を、「ベルカント歌い」も同様に、この時代の作曲家の作品を得意のレパートリーとしている歌手のことを指します。厄介なのは「ベルカント」と独立して使う場合です。

「ベルカント」という言葉は、イタリア・オペラ(イタリアの作曲家によるイタリア語の)歌曲の歌唱テクニックを評価するときに使います。「ベルカント」という言葉とセットのようにして出てくるのが、「リネアーレlineare」や「スル・フィアートsul fiato」といったイタリア語の単語です。

「リネアーレ」に歌うとは、例えば一曲のアリアの中で、フレーズごとに切って新たに一から盛り上がり始めるのではなく、その曲の最初から最後までが一本の線(リネア=ライン)で繋がっているように、音楽の流れを途切れさせずに歌うことを指します。

とはいえ、潜水競技ではないのですから、もちろん歌手は息継ぎもしますし、休符では音をきちんと切ります。

一例として、プールで長距離を泳ぐ様子を想像してみてください。

上手なスイマーは、クロールで泳ぎながら水の中でフーッと息を吐き、ちょっと顔を横にあげて息を肺に入れることを何気なく繰り返しながら何キロでも泳いでいく、あの感じです。
詩の一節ごとに現れる違う山(ピーク)をそれぞれ別個に新たに歌うのではなく、歌い初めからその曲の終わりまで一陣の風が丘の起伏を撫でるように吹いていくように歌う、と言ったらよいでしょうか。

もう一つの「スル・フィアート」は、直訳すれば「息の上(に)」です。これは前述の風を息として、「息(=fiato)の上に(=sul)乗せて歌う」という意味です。
孫悟空を乗せたキン斗雲は、スルスルと風に乗って飛んでいきます。その雲に乗ってどこまでも自在に飛んで行く孫悟空が、いわばベルカントの「声」なのです。

イタリア人は、実は日本人とさほど変わらない体格をしています。ドイツや東欧圏のような分厚い胸板や大柄な身体には恵まれていませんので、自らの身体を振動させた声を劇場全体に響かせることは物理的に難しい。そこで劇場の空気を巻き込むようにして「省エネ」で、より遠くまで声が届くように工夫されてきたのが「ベルカント」の技術です。いわば必要に迫られて発達してきた技術なのです。そのためには深く息を吸って、体全体を、固めるのではなく、逆に筋肉を柔軟に使い、かつ胸から上だけの浅い呼吸による歌唱にならないための「息の支え(アッポッジョ=appoggio)」も必要になります。自然に呼吸し、喋るような状況をオペラの歌唱でも作り出すのが「ベルカント歌唱のテクニック」の最終目的地です。ですがその域に到達するまでの努力は、並大抵ではありません。

ベルカントとイタリア語の密接な関係
ベルカントにはイタリア語の特質が大きく影響しています。一例としてドイツ語とイタリア語を比較してみましょう。ドイツ語はイタリア語に対して圧倒的にS、T、Pなどの子音が多く使われています。言葉の頭に3つの子音が重なって存在することも多々あります。そしてその子音が明確に発音されなければ、言葉として聞こえてきません。それに対して、イタリア語は母音が主となる言葉です。(ふだん喋る言葉ではなく、クラシック音楽における歌唱法に限っての話ですが)イタリア語では、母音を響かせることが第一義となります。子音が母音の流れを邪魔してはなりません。さらさらと流れる小川である母音の水の流れを、楔を打つように子音が止めてはならないのです。イタリア語の子音は、流れている母音の上に木の葉で作った舟(子音)をそっと乗せてやるだけで、言葉として聴衆の耳に届きます。ところが、言葉を立てるべく「子音をしっかり発音しよう」とすると、子音が息の流れを遮断してしまい、その時点でベルカントの歌唱から離れてしまうのです。

息の流れを止めないことと、明晰なディクションのバランス
息の流れを言葉が邪魔しないことを最優先にしていたのは、スペイン出身の名ソプラノ、モンセラート・カバリエでした。彼女は、息の流れを邪魔しそうな場合に子音を言わないなど「声の美しさ」を何よりも優先しました。彼女のフレージングの長さ、上から下まで均一な音色はベルカント歌唱の見本でもあります。現在は歌手に、より明晰な発音が求められます。ベルカントの技術に立脚してそれができる一人が、今夜お聴きいただくエヴァ・メイです。レッジェーロ系のベルカントの名手には、他にもレナータ・スコット、ルチアーナ・セッラ、マリエッラ・デヴィーア……何人もの名前が挙がりますが、人の声は指紋と同じで、それぞれ声質が違います。メイの声はその中でも中身のギュッと詰まった音質を持ち、モーツァルトやバロック音楽のレパートリーにも向いています。それが彼女の生まれ持った声質なのです。歌手は自分の声に合ったレパートリーを選んで歌っていくのが本筋で、彼女はそれを守ってこれまでキャリアを積んできました。


マリエッラ・デヴィーア
(photo-by-Corrado-Maria-Falsini)


モンセラート・カバリエ

その歌手の歌がベルカントと呼べるかどうかの判断基準を最後に一つお教えしましょう。聴いていて喉元がむず痒くなったり、聴き終わってこちらの身体が硬くなった感じのするときは、その歌手の呼吸が浅く、体に力が入って歌っている証拠。いい歌手を聴いたあとは、身体の中の、上から下まで息が自在に通って、気持ちよく帰路につけるものです。お試しあれ。
(東京プロムジカ主催2017年2月20日「エヴァ・メイ ソプラノ・リサイタル」プログラムより転載)

〈河野典子プロフィール〉
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。1982〜89年在伊。帰国後音楽評論家としてイタリア・オペラを主とした公演批評、来日アーティストのインタヴューなどを「音楽の友」「GRAND OPERA」などの各誌に執筆するほか、来日アーティストのプログラム執筆やCDライナー・ノーツの翻訳、NHK BS〈クラシック倶楽部〉の歌詞字幕などを担当。

2010年、東京都主催〈Music Weeks in Tokyo2010オープニング・シンポジウム〉(東京文化会館・小ホール)の司会を務めたほか、13年からはWOWOWのニューヨーク・メトロポリタン歌劇場の公演番組〈メトロポリタン・オペラ〉に解説者として出演、また番組監修も務めている。録音・コンサートのプロデューサーとして現役歌手のサポートにも積極的に取り組んでいる。共著に『オペラ・ハイライト25』(学研)。2017年3月、イタリア・オペラ58作品の「あらすじ」や「聴きどころ」を詳説した『イタリア・オペラ・ガイド』(発行フリースペース、発売星雲社, 2017)を出版。またNHKFM「オペラ・ファンタスティカ」でも案内役を務めている。

〈過去のブログ〉
オペラの世界3~マエストロ ファビオ・ルイージ~
オペラの世界2~演奏家インタヴューの通訳~
オペラの世界1~アッバードとの稽古は「芸術を創り上げる喜びの時」でした~

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映画『歓びのトスカーナ』7月8日(土)より公開

Buongiorno a tutti!

今日は7月8日(土)より公開の映画『歓びのトスカーナ』のご紹介です。

おしゃべりで虚言癖のあるベアトリーチェと過去の出来事から自分を傷つけてばかりのドナテッラ。ひょんなことからトスカーナの診療施設を抜け出した二人は、一緒に旅を続けるなかで徐々に絆を深めていく。やがてドナテッラの脳裏にある痛切な記憶が甦り…。


©LOTUS 2015

『人間の値打ち』で絶賛を博したイタリアの名匠パオロ・ヴィルズィ監督が、再びヴァレリア・ブルー二・テデスキとタッグを組んだ本作。まばゆい陽光が降り注ぐトスカーナ地方の美しい自然と街並みをバックに、自由を追い求めるヒロインたちから溢れ出る人生の切なさや愛おしさをいきいきと描出。生きることの喜びも悲しみも、そして痛みもまっすぐに見すえつつ、ユーモアやサプライズを随所に織り交ぜたバイタリティあふれる語り口が冴え渡ります。


©LOTUS 2015

イタリアのアカデミー賞として名高いダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞にて見事、作品賞、監督賞、主演女優賞など5部門で受賞を成し遂げた、珠玉の人生賛歌をご堪能ください。


©LOTUS 2015

〈インフォメーション〉
題名:『歓びのトスカーナ』
監督:パオロ・ヴィルズィ(『人間の値打ち』) 
出演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ミカエラ・ラマッツォッティ
2016年/イタリア・フランス合作/イタリア語/116分/
原題:LA PAZZA GIOIA 
COPYRIGHT©LOTUS 2015
後援:イタリア大使館、イタリア文化会館 
宣伝:テレザ、ポイント・セット 
配給:ミッドシップ 
公式HP:http://yorokobino.com

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『Viva!イタリアVol.3公開記念 選りすぐり名作選』

Buongiorno a tutti!

今日は東京・阿佐ヶ谷にあるミニシアター「ユジク阿佐ヶ谷」にて7月1日から開催中の、
『Viva!イタリアVol.3公開記念 選りすぐり名作選』をご案内します。

今回の特集では、2013年から続く特集上映「Viva!イタリア」の第3弾が現在全国で公開されているのを記念して、
第1弾・第2弾で特集された全6作を上映します。

美味しい食事、情熱的な恋、人情味あふれる人々…イタリアそのもののような傑作を一挙にお届けします!


「もうひとつの世界」


「最後のキス」


「フェデリコという不思議な存在」


「ただひとりの父親」

<インフォメーション>
開催日時:2017年7月1日(土)〜7月14日(金)
主  催:ユジク阿佐ヶ谷
場  所:ミニシアターユジク阿佐ヶ谷
配  給:パンドラ

【上映予定作品】
1.「もうひとつの世界」:7/1(土)・7/7(金)・7/8(土) 11:00-
2.「ハートの問題」:7/2(日)・7/9(日) 11:00-
3.「最後のキス」:7/3(月)・7/10(月) 11:00-
4.「フェデリコという不思議な存在」:7/4(火)・7/11(火)・7/14(金) 11:00-
5.「夫婦の危機」:7/5(水)・7/12(水) 11:00-
6.「ただひとりの父親」:7/6(木)・7/13(木) 11:00-
公式HP:https://yujiku.wordpress.com/italy/

【アクセス】
ミニシアターユジク阿佐ヶ谷
東京都杉並区阿佐ヶ谷北2−12−19−B1F
TEL:03-5327-3725
阿佐ヶ谷駅北口徒歩3分
ラピュタ阿佐ヶ谷裏

【チケット】
一般¥1,300円/シニア・学生・リピーター¥1,100円
会員¥1,000円
★リピーター割引!
当日券の半券呈示で、一般料金から200円引きに!

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