カトリーヌ・スパーク特集上映「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」

60年代を席巻した“イットガール(時代を超える女の子)” カトリーヌ・スパークの代表作4作品 再び!

Buongiorno a tutti!

きたる5 月21日(金)より、60 年代のイタリア映画界を席巻したフランス人女優カトリーヌ・スパークの特集上映「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」が、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて開催されます。

パリ生まれ、パリ育ちでありながら、イタリア映画で人気を博した女優カトリーヌ・スパーク。『大いなる幻影』(37)や『嘆きのテレーズ』(52)などで知られる名脚本家シャルル・スパークを父に持ち、幼い頃から映画に親しんだ彼女は、ジャック・ベッケル監督作『穴』(60)に端役で出演したのを機に本格的に女優を志します。

父には猛反対されるも、イタリアの大物プロデューサー、カルロ・ポンティと、大女優ソフィア・ローレンの強い後押しによって、1960 年のイタリア映画『十七歳よさようなら』で鮮烈な主演デビューを果たしました。

パリジェンヌの気品と少女の清純さを持ちながら、自由奔放に男を振り回すというアンビバレントな魅力が同居したスパークは、娯楽映画全盛期のイタリアで大ブレイク。アンナ・カリーナやクラウディア・カルディナーレといった次世代フレンチロリータたちと並ぶ人気を集め、そのヘアスタイルやファッションを真似する女性たちが続出、眩しい光を放つ60 年代のイットガールとなりました。(*イットガール(it girl)…注目すべき魅力的な女性のこと。1927 年の米映画『It』の大ヒットで一躍有名になった主演女優クララ・ボウが“it Girl”と呼ばれたことに由来。)

このたびの特集では、美少女に狂わされる中年男を描いたイタリアン・バカンス映画の異端作『狂ったバカンス』(62)、ナポリ湾に浮かぶイスキア島を舞台に恋に奔走する若者たちを色彩豊かに描いた『太陽の下の18 才』(62)、アルベルト・モラヴィアのベストセラー小説「倦怠」を下敷きにした青年画家とモデルの不条理な愛の物語『禁じられた抱擁』(63)、性の世界に踏み込む若き未亡人とジャン=ルイ・トランティニャン演じる医者のフェティッシュ・コメディ『女性上位時代』(68)をラインナップ。スパークの小悪魔的な魅力を余すことなく堪能できる代表作4 作品であり、『禁じられた抱擁』は1964 年の初公開以来50 年以上の時を経て、初のデジタル・リマスター版での公開となります。

昨年この世を去ったエンニオ・モリコーネや、『イル・ポスティーノ』でアカデミー賞を受賞したルイス・エンリケス・バカロフ、『黄金の七人』でおなじみのアルマンド・トロヴァヨーリといったイタリア映画音楽界の巨星たちによる音楽も大きな見どころ。

駆け出しのモリコーネが注目を浴びるきっかけとなった『太陽の下の18 才』のツイストナンバーは公開当時に大ヒットし、ムーンライダーズや木の実ナナなど日本のアーティストもこぞってカバーしました。

そのほか、スパークのバカンスルックや斬新なエレガントファッション、そしてレトロフューチャーなインテリアなど、あらゆる角度から楽しめる60 年代カルチャーも満載となっています。

「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」( www.spaak2021.com )は、5 月21 日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次開催です。

<上映作品>

『狂ったバカンス』

別居中のアントニオは、息子を迎えに行く途上で若者のグループに出会う。若さゆえのノリに苛立つアントニオだったが、一人の美少女フランチェスカが気になり、彼らのバカンスに巻き込まれていく……。夏の終わりのある一日、少女に惑わされる中年男を描くイタリアン・バカンス映画の異端作。

監督:ルチアーノ・サルチェ 音楽:エンニオ・モリコーネ 出演:カトリーヌ・スパーク、ウーゴ・トニャッツィ

1962 年/イタリア/モノクロ/スコープ/モノラル/109 分

(c) Licensed by COMPASS FILM SRL – Rome – Italy. All Rights reserved.

『太陽の下の18 才』

ナポリ湾に浮かぶイスキア島で、ニコラは、名前が一字違いのフレンチガール・ニコルと運命的に出会う。ワガママで気が強い彼女だけど、その眩しい笑顔に次第に惹かれて……。愛すべき若者たちのバカンス模様を描いた開放感100%のリゾート・ムービー!巨匠モリコーネによるツイストナンバーは日本でも大ヒット。

監督:カミロ・マストロチンクェ 音楽:エンニオ・モリコーネ 出演:カトリーヌ・スパーク、ジャンニ・ガルコ

1962 年/イタリア/カラー/ビスタ/モノラル/100 分

(c) Licensed by COMPASS FILM SRL – Rome – Italy. All Rights reserved.

『禁じられた抱擁』

裕福な家で育った画家のディノは、近所の老画家のモデルをしていたセシリアの美しい肉体と大胆さに魅了される。割り切った関係のはずだったが、彼女の裏切りが次第にディノの歯車を狂わせ……。アルベルト・モラヴィアのベストセラー小説「倦怠」を脚色した不条理な愛の物語。天真爛漫な笑顔から一転、妖艶さが増す。

監督:ダミアーノ・ダミアーニ 音楽:ルイス・エンリケス・バカロフ 出演:カトリーヌ・スパーク、ホルスト・ブッフホルツ、ベティ・デイヴィス 1963 年/イタリア=フランス/モノクロ/ビスタ/モノラル/105 分

(c) 1963 Compagnia Cinematografica Champion – Les Films Concordia. All rights reserved.

『女性上位時代』

夫に先立たれたミミは、生前彼が所有していた秘密の部屋でセックステープを発見する。夫の変態性にショックを受けつつも興味が湧いたミミは、めくるめく性愛の世界への扉をあける……。トロヴァヨーリの音楽と“レトロ可愛い”ファッション&美術に彩られたフェティッシュ・コメディ!名優トランティニャンにも注目の一作。

監督:パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ 音楽:アルマンド・トロヴァヨーリ

出演:カトリーヌ・スパーク、ジャン=ルイ・トランティニャン

1968 年/イタリア/カラー/ビスタ/モノラル/94 分 (c) 1968 SNC (GROUPE M6)

カトリーヌ・スパーク CATHERINE SPAAK

1945 年4 月3 日、フランス・パリ生まれ。祖父ポール・スパークは劇作家で詩人、父シャルル・スパークは脚本家、母は女優という芸能一家に生まれ、妹のアニエスも女優である。父シャルルは、『ミモザ館』(34)、『大いなる幻影』(37)、『嘆きのテレーズ』(52)など、30 年代から50 年代のフランスを代表する数々の映画を手掛けた名脚本家。59年、父に内緒でジャック・ベッケル監督作『穴』(60)に端役で出演し、本気で女優になることを決心。父の反対があったものの、イタリアの大物プロデューサー、カルロ・ポンティと当時の妻ソフィア・ローレンの強力な後押しにより、『十七歳よさようなら』(62)で映画主演デビューを果たす。私生活では、両親の反対を押し切って『狂ったバカンス』の共演俳優ファブリツィオ・カプッチと18 才で結婚し、娘サブリナを授かるも離婚。その後、歌手、建築家との再婚と離婚を経て、2013 年に18 才年下のアーティストと四度目の結婚をした。主な出演作に、『穴』(60)、『十七歳よさようなら』(60)、『狂ったバカンス』(62)、『太陽の下の18 才』(62)、『追い越し野郎』(62)、『禁じられた抱擁』(63)、『恋のなぎさ』(64)、『輪舞』(64)、『愛してご免なさい』(64)、『夜は盗みのために』(67)、『女性上位時代』(68)、『火曜日ならベルギーよ』(69)など。

<インフォメーション>

カトリーヌ・スパーク特集上映「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」

5 /21 金 より ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催! ほか全国順次

提供:キングレコード

配給:ザジフィルムズ

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Filed under: お知らせ — イタリア文化会館東京 14:46

ディスコルシ・ムジカーリ第2回演奏会

Buongiorno a tutti!

イザベッラ・レオナルダという女性作曲家を知っていますか?

2020年はノヴァーラの修道女、作曲家であったイザベッラ・レオナルダ(Isabella Leonarda, 1620-1704)の生誕400年にあたる年でした。コロナ禍のため延期された2020年9月のディスコルシ・ムジカーリの演奏会とプレ講演会がこの度、オンラインで配信されます。

1620年にノヴァーラの貴族家庭に生まれたレオナルダは、当時の貴族家庭の習わしに従い、16歳で同地の聖ウルスラ会女子修道院に入会しました。その後、1704年に83歳の生涯を閉じるまで、修道生活を続けながら全20巻200曲におよぶ作品を精力的に出版していきました。中でも1693年の曲集Op.16は、女性が初めて出版したソナタ集として音楽史上、注目すべき作品となっています。

今回は生誕400年を記念して、レオナルダの代表作であるリタニア、ヴァイオリン・ソロ・ソナタ、そして晩年の流麗なマニフィカトなど、より大規模な作品による演奏会が開催されます。

演奏会に先立つプレ講演会は、3月末より既にオンラインで配信されています。レオナルダの生涯と17世紀イタリアの女子修道院での生活について、そして教会権威から女子修道院に対する長年の圧力や禁止令について、現代の私たちには全く想像できない女子修道院の様子が、当時の史料を用いながら分かり易く解説されています。

ディスコルシ・ムジカーリは、イタリア・バロック音楽の「研究」と「演奏」をリンクさせた新しいスタイルの古楽グループです。主宰の佐々木なおみ氏が毎回、研究テーマを決め、研究内容について講演会を行ったあと、実際に演奏を行うというユニークな連動企画を行っています。プレ講演会は5月31日まで視聴可能です。演奏会はイタリア・バロック音楽に精通した演奏者たちが佐々木氏の研究内容を受けて、さらに独自の感性に基づいたエネルギッシュアな演奏を展開します。こちらは4月20日から配信開始となります。

400年前のイタリアで修道女として生き、作曲家として出版活動を83歳まで続けた「ノヴァーラの奇跡」イザベッラ・レオナルダ。その情熱溢れる人生に触れ、透明感に満ちた声楽曲と大胆かつ情感ほとばしる器楽曲に耳を傾けてみませんか。400年前の修道女、作曲家に想いを馳せながら。

視聴券はディスコルシ・ムジカーリ・オンラインショップにて販売中です。

https://discorsimusicali.stores.jp/

【インフォメーション】
ディスコルシ・ムジカーリ第2回演奏会
イザベッラ・レオナルダ生誕400年記念「修道女、そして作曲家 -溢れ出る創意の軌跡-」
オンライン・プレ講演会 現在配信中 5月31日まで配信延長決定
 講演者:佐々木なおみ(ディスコルシ・ムジカーリ主宰)
オンライン演奏会    
配信期間 4月20日から4月27日まで

出演者:
ソプラノ         阿部早希子
カウンターテナー     村松稔之
テノール         福島康晴
バス           目黒知史
バロック・ヴァイオリン  小玉安奈・宮崎蓉子
テオルボ         佐藤亜紀子
バロック・チェロ     懸田貴嗣
オルガン         矢野薫
お話役          佐々木なおみ

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