【本の魅力再発見!】『いいなづけ』

イタリア文化会館では、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置に伴う休校、テレワーク、外出自粛により在宅で過ごす方に向け、毎週水曜日スタッフがお勧めのイタリア文学を紹介します。 今日皆さんに紹介するのは、アレッサンドロ・マンゾーニの傑作『いいなづけ』です。

アレッサンドロ・マンゾーニの『いいなづけ』は、1628年から1630年のスペインに統治されたロンバルディアを舞台とした、イタリアでは有名な歴史小説です。イタリア文学最初の歴史小説であるこの作品は、イタリア文学にとってのマイルストーンであるだけでなく、まさに現代イタリア語誕生の礎を築いたと言っても過言ではありません。さらに、登場人物に、貴族ではなく一般庶民を描いた小説として、初めて人気を博しました。

【あらすじ】

舞台は1628年から1630年、スペイン支配下のロンバルディア。
二人の主人公、ルチーアとレンツォはいいなづけ。しかし、彼らの結婚を執り行うドン・アボンディオ司祭は、その挙式を禁じられる。ルチーアに目をかけた領主ドン・ロドリゴが、レンツォとの結婚を阻止したのだ。
レンツォとルチーアはいくつかの浮き沈みののち、止むを得ず故郷を離れる。ルチーアはモンツァの修道院に、レンツォはミラノに逃げ延びる。
ルチーアは、モンツァの修道女ジェルトゥルーデの庇護を受け、一方レンツォは、ミラノでパンの価格高騰に反対する民衆蜂起に巻き込まれてしまう。
そしてドン・ロドリゴは、ジェルトゥルーデの協力を得てルチーアを悪党インノミナートに誘拐させ、自身の城に連れ去る。しかしその夜、激しい良心の呵責に苛まれたインノミナートは改心し、ルチーアを逃し、彼女を二人の友人に委ねる。
ちょうどこの頃、イタリアに南下してきた傭兵師団ランツクネヒトにより、イタリア中にペストが蔓延する。ルチーアの母アニェーゼとドン・アボンディオ司祭らは、慈愛に満ちた心を持つようになったインノミナートの城に避難する。一方レンツォは、ドン・ロドリゴと同じくペストに罹ってしまう。しかいレンツォは治癒するも、ドン・ロドリゴは帰らぬ人となる。
若い二人は、過酷な試練を乗り越え再会を果たし、無事結婚式を挙げる。

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新型コロナウイルスの感染拡大による休校措置に際して、ミラノにあるヴォルタ高校校長のドメニコ・スキラーチェ先生が生徒宛てに書いた手紙の中で、『いいなづけ』に描かれるペストの描写と現在私たちが置かれている状況を比べながら、生徒たちに、この新たな“ペスト”が人々の関係性まで毒してしまわぬよう意識して行動することを呼びかけました。この手紙は海を越えて日本でも話題になり、新聞やメディアでも取り上げられ、マンゾーニの『いいなづけ』は、日本で再び注目を浴びました。

家にいる時間を利用して、皆さんもこの機会に『いいなづけ』を読んでみませんか?

日本語版はこちら:

いいなづけ
(河出文庫、2006年)

いいなづけ
17世紀ミラーノの物語
(平川祐弘訳、河出文庫、2006年)
いいなづけ 上
いいなづけ 中
いいなづけ 下

ウンベルト・エーコがこども向けに書きかえたものもあります。
イタリア語で読むウンベルト・エーコの『いいなづけ』
(白崎 容子訳、NHK出版、2018年)

また、コミック版シリーズ『愛のちかい』(絶版)も、イタリア文化会館図書館に全巻所蔵しています。図書館が再開したあかつきにはこちらも是非!
愛のちかい 
(藍真理人、女子パウロ会、1984年)

(H.)

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Filed under: Staff Blog,お知らせ — イタリア文化会館東京 17:00
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